カードマジックとコインマジック、どっちから始めるのがおすすめなのでしょうか?
結論から入ると、私はカードマジック(トランプマジック)から始めるのをおすすめします。
この記事では、カードマジックとコインマジックを比較し、なぜカードマジックから始めるのがおすすめなのか解説します。
カードマジックをおすすめする理由
私がカードマジックをおすすめする理由には、以下のようなものがあります。
テクニックの難易度が低い
まずは、一般論として、カードマジックはコインマジックに比べ、テクニックの難易度が低いということが挙げられます。
カードマジックには、もちろん高難易度のテクニックもありますが、それに代わるテクニックも多く、自分のレベルに合った難易度のテクニックでマジックをしやすいという利点があります。
中には、特定の手順の通りに行えば、自動的に現象が再現できるセルフワーキングと呼ばれるマジックもあります。
そして、このような取り組みやすいマジックから順に身につけていくと、難しくて挫折するということも少なく、自然にレパートリーを増やしていくことが出来ます。
一方、コインマジックは、基礎的なコインの扱い方やテクニックを、それなりに習得してからがスタートといった面があります。
ろくにマジックが演じられないまま、テクニックで詰まってしまうと、嫌になってしまうおそれがありますね。
そのようなことは、できるだけ避けるのが良いと思っています。
現象が多様
次に、カードマジックの方が、起こせる現象のバリエーションに富むということが挙げられます。
正確に言えば、カードマジックにしろ、コインマジックにしろ、バリエーションは無数にあります。
でも、始めたばかりでレパートリーを増やそうと思ったときに、カードマジックの方がレパートリーを増やしやすいということです。
カード当て1つを取っても、カードが目の前で変化して当たる、予言する、心を読む、など、多くの当て方があります。
また、カード当てに限らず、破ったカードが復活したり、同じ数字が揃ったりと、現象の豊富さには事欠きません。
一方、コインマジックの場合、やり始めた頃は、出す、消す、移動する、コインが変化する、といったものが多くなりがちです。
また、扱うコインの大きさも小さいため、地味な印象を拭いきれません。
道具を安価で揃えられる
道具を安価で揃えられるのも、カードマジックの利点でしょう。
基本的には、以下の記事にある「バイスクル(Bicycle)」というトランプを1つ持っておけば十分です。
消耗品ではありますが、数百円のトランプを1つを買うだけで、多くのマジックを演じられるようになります。
一方、コインマジックの場合、日本の硬貨でも演じられないことはないですが、最も大きな500円玉でも小さいなという印象ですね。
本格的にやろうと思うと、複数のハーフダラー(アメリカの50セント硬貨)を準備する必要があります。
コインの種類が変化するマジックなら、チャイニーズ・コイン(中国の古銭を模して作られた硬貨)なんかも欲しいところです。
1つ数百円から1000円前後なので、一通り揃えると、それなりのお値段になります。
学ぶ上で参照できるものが多い
カードマジックに関して言えば、実に多くの書籍やDVDがあります。
もっとも、それらの本やDVDが、学びやすいものかどうかは別問題ですが、マジックを覚えていく上で、教材が多いに越したことはありません。
初心者向きでは無いですが、以下の『カードマジック事典』のように、よくまとまっている本もあります。
更に、カードマジックをやっているマジシャンも多いので、カードマジックに関して分からないことを教えてもらいやすいのも良いですね。
コインマジックも、それなりにメジャーな分野なので、教材が無いわけではないのですが、カードマジックと比べると少ないなというのが個人的な印象です。
コインマジックにも良さはある
ここまで、カードマジックをおすすめする理由を挙げてきました。
でも、コインマジックにも良いところはあります。
披露する機会が多い
まず、演じる機会はコインマジックの方が多いでしょう。
日常生活の中で、トランプをポケットに入れている状況など、マジシャンでもない限りそうはありません。
しかし、財布を持ち歩き、小銭を出せる場面は、かなりあるでしょう。
マジックは見せることで上達する部分が大きいですし、自然な流れで、演じる機会を確保しやすい道具であるというのは、カードマジックには無い利点ですね。
コイン以外でも応用が利く
また、コインマジックは、専用のテクニックもありますが、サイズの小さい日用品などでも同様の現象を起こせる、汎用的なテクニックが多いのが利点です。
こうしたテクニックを覚えると、コインに限らず、様々なマジックをレパートリーにしていくことができます。
私も、コインの基礎技法はかじった程度ですが、「何かやって。」と言われたときに、とっさにその場にある小物を消すなどできるので、重宝しています。
どうしても決められない人へ
ここまで読み進めていただいて、「でも、やっぱり決められない。」という方もいらっしゃるでしょう。
どうしても決められない場合は、どちらも並行してやれば良いと思います。
そうすれば、そのうち性に合うマジックが分かってきます。
そして、自分が気に入った方は自然とやることが多くなりますし、そうでない方は触れる頻度が減ってきます。
私も、カードとコインの両方をかじっていますが、結果的に、コインマジックよりもカードマジックに、より多くの時間を費やすこととなりました。
コインも基礎的な技法は少しやりましたが、出す、消す、移動する、色が変わる、といったバリエーションが多く、それに飽きてしまったんですよね。
違う消し方を人に見せても、「同じじゃん。」と言われる始末でしたし。
それに比べ、カードは起こせる現象が多様で、知的好奇心を満たしてくれる上、反応も良かったので、カードが気に入ったのでしょうね。
もちろん、人によってはテクニックを習得して感じる達成感や喜びが、多くの現象を知るよりも好きだという場合もあります。
こういう人は、コインマジックの方が気に入るかもしれませんね。
自分がどのタイプなのかは、カードマジックとコインマジック、両方とも少し味見してみて、それで判断してみても良いのではないでしょうか。
終わりに
以上、カードマジックとコインマジック、初心者にはどっちがおすすめなのかを解説してきました。
個人的なおすすめは、以上で解説してきたようにカードマジックです。
でも、どちらかしかできないということはありません。
ですので、まずは、とりあえずで良いので片方に決め、行動に移しましょう。
それで、合っていればそのままで良し、合わなければもう片方をやる、という感じで良いと思います。
ぜひ、参考にして下さい。