「マジックを始めたいけれど、色々調べても、何から始めれば分からない。」
この記事をご覧のあなたは、そんな方の一人でしょう。
そこで、今回は、マジック歴10年以上の私が、実際に初心者の頃に何から手を付けてきたのかを、体験談としてご紹介します。
マジックを何年も続けている人が、どんな風にマジックを始め、どういう風に続けてきたのかという情報は余り無いように思うので、ぜひ参考にしてください。
【0ヶ月目】マジックを始めたいと思う
マジックを始めたのは小学生の頃。
始めたきっかけは、児童書のコーナーにあるマジックの本を見て、「マジックってどんな風にやってるんだろう?」と興味を持ったことです。
そこで、最初は児童向けのマジックの本を2~3冊、読んでみたんですよね。
本を読むと、当然ながらマジックのネタが書かれているので、そのネタを試しに覚えて家族に見せてみたんです。
すると、驚いてくれました。
これでいい気になって、マジックにのめり込んでいくことになりました。
【1ヶ月目 ~ 6ヶ月目】使えるネタを本で覚えることから始めた
期間に関しては、記憶が曖昧な部分もありますが、始めてから半年程度は、とにかく自分が演じられるネタのレパートリーを増やしていたと思います。
それこそ、本、テレビ番組、ネットなどで面白そうなネタを見つけては、そのネタの種明かしを探していました。
まあ、大抵の場合、種明かしがあるのは書籍だったので、マジシャン向けではなく、一般向けに書かれたマジックの本の中から、自分が演じられそうだなと思ったネタをかいつまんで覚えていきました。
また、できるだけ写真や挿絵が多く、現象やテクニックのイメージが湧きやすい本を選んでいたように思います。
最初は、単発のネタをいくつか覚えているに過ぎませんでした。
しかし、様々な種類のマジックを知っていくことで、だんだんと使われる道具や現象ごとのカテゴリが見えてくるようになりました。
【6ヶ月目 ~ 1年目】マジックを体系的に学びたいと思う
この頃になると、ある程度、自分の中でマジックに関するカテゴリが形成されてきたので、一度、体系的にマジックを学んでみたいなと思い、専門書に手を出すようになります。
ジャンルとしてはクロースアップマジック、特に、カードマジックが多かったですが、基本的に読みたいと思った本を読んでいました。
中でも、松田道弘さんという方の書いた本がしっくりきたみたいで、松田道弘さんの書いた書籍を探しては読んでいましたね。
マジックの基本書・入門書と呼ばれる本は数多ありますが、具体的な現象やテクニックのイメージが湧かない状態で、こういう本を手に取ると、挫折すると思います。
ですので、一度、書店で立ち読みするなり、図書館で借りるなりしてみて、練習すればできそうと思えるネタが多くあるものを選ぶと良いと思います。
また、あくまで技法は現象のために存在していると思っているので、技法ばかりでなく、覚えた技法を使って演じられる作品も載っているような本が良いでしょう。
【1年目 ~ 2年目】マジックの道具を購入
実は専門的な道具を購入したのって、割と遅い方で、始めてから1年以上は経っていたのではないかなと思います。
それまでは、カードマジックをやるのでも、100均で買ったような、家にあったトランプを使って練習していました。
ですが、本格的にマジックをやってみたい欲求が高まり、親に頼んで、マジックの道具をネットで買ってもらいました。
買った道具としては、次のようなものです。
トランプ(カード)
まず、トランプを買いました。
マジシャンはカードという方が馴染みがありますね。
王道ですが、USプレイング・カード社のBicycle(バイスクル)というトランプです。
初めて手にとったときは、滑りが良すぎて手からこぼれ落ちましたね。
後、紙製なのに弾力があったのが意外でした。
バイスクルはそこら中でおすすめされていて、何故なのかと思う方もいるでしょう。
確かに、カードの使い心地の良さも理由かもしれません。
ただ、それだけではなく、マジシャン向けに販売されている仕掛けのあるトランプ(ギミックデック)の多くがバイスクル製であることも挙げられるでしょう。
ギミックデック
カード一組全体に仕掛けがしてあり、通常のトランプでは演じられないようなマジックができるトランプです。
ギミックデックを購入したことで、様々なカードの加工についての知識が得られました。
でも、演技する中で、仕掛けがしてあることをストレスに感じるようになり、今となっては余り使うことがないですね。
シルク
小さい頃に見たマジックショーのイメージなのですが、マジシャンってとにかくシルクを出すのが好きじゃないですか(笑)
なので、シルクマジックをやってみたいなと思って、カメレオンハンカチーフというシルクの色が変わるマジックを買いました。
サムチップ
シルクを購入するついでに、サムチップという道具もあわせて購入しました。
サムチップって何?っていう方もいると思うのですが、画像が露骨すぎるので、ここで紹介するのは差し控えます(笑)
ネットで検索してみてください。
サムチップは消失・出現の現象によく使われるのですが、それだけではつまらないので、サムチップの教本なるものも一緒に買いました。
メンタルマジックや降霊術的なエフェクトにも使えるなど、ものは使いようだなと感心した覚えがあります。
コインマジック関連の道具
その他、コインマジックに使えそうな道具を色々と購入しました。
ダイムアンドペニーというギミックコイン(仕掛け付きの硬貨)。
コインを外から入れられる、密閉された容器、などなど。
なお、コインマジックでは、ハーフダラーという外国の硬貨がよく使われるのですが、今に至るまで買ったことがありません。
未だに日本製の硬貨ばかり使っています。
【2年目~】DVDの購入
初期の頃は、書籍を中心に学んできた私ですが、DVDも見たくなってきました。
そこで、始めてから2年目位で、ギャフカード(仕掛けのあるカード)付きのDVDを購入したと思います。
ちなみに、DVDの収録内容は、ギャフカードなしとギャフカードありの作品がそれぞれ5~6作品程度になります。
DVDの良さというのは、やはり、現象のイメージが湧きやすいことですね。
百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、このDVDを見て、ようやくまともにできるようになった技法も多いです。
【2年目以降】その後にしたこと
自分で考えたネタを披露
この頃になってくると、自分でタネを推測したり、マジックを考えたり、ということができるようになってきました。
マジックが好きな友人も出来たので、お互いの演技を見せ合ったり、オリジナルのネタを披露しあって楽しんでいました。
また、ペンや消しゴムなど、小物があればとりあえずマジックができるので、見せる相手にも困らなかったですね。
マジックに関する情報収集
後は、今でもそうですが、面白そうなネタがないかなとか、使えそうな技術は無いかな、とか、そういうことを考えてよく調べ物をしていました。
たまにマジックショップのネタをチェックしたり、気になったネタを買い足したり、という具合で、これまで積み上げてきた部分に肉付けしていく感じですね。
まとめ
以上、マジックを始めたい方に向けて、マジック歴10年の私が何からマジックを始めてきたのかを紹介してきました。
私の経てきた段階をまとめると、次のようになります。
- 一般向けのマジックの書籍を読み、演じられるネタを増やす。
- 持ちネタが増えてきたら、専門書でテクニックと知識を習得。
- 専門のマジック道具やDVDを購入し、更にブラッシュアップ。
- 自分でネタを考え、知人やマジシャン仲間に披露する。
確かに、体系的にマジックの知識を理解することは、効率は良いのかも知れないです。
でも、面白そうだなとか、やってみたいなと思ったマジックに存分に浸ってみるのも、マジックの醍醐味だと思うんですよね。
何だかんだ、そういった一見すると無駄に見える部分が、後で演技の引き出しを増やしてくれたりしますし。
見知らぬ技法やできない技法が出てきたら、そこで初めて練習してみれば良いんですよ。
ということで、まずは色んなマジックを知って、いくつか覚えて、演じてみてはいかがでしょうか。