マジックを何となく練習しているけれど、今よりもマジックが上手くなるにはどうすればいいのか分からないと思っていませんか?
マジックを始めたばかりの初心者の頃は、一体どうやったらマジックが上手いマジシャンのように演じられるのか、よく分からないですよね。
そこで、この記事では、マジックの上達法が分からない初心者の方に向けて、マジックが上手くなるにはどうすればよいのかを解説していきます。
「マジックが上手い」とは何かを理解する
まず、マジックが上手くなるためには、そもそも「マジックが上手い」とは何なのかをはっきりさせることから始める必要があります。
ただ単に、「マジックが上手くなりたい」というだけでは、目標が漠然としていて、辿り着こうにも適切な方法を選ぶことができないんですよね。
ですから、最初にすべきことは、マジックが上手くなるとは何かを明確化し、理解することになります。
マジックの構成要素を知る
一口に「上手くなる」と言っても、それがマジックを形作るどの部分を良くしていくことなのかが不明確なままです。
ですから、マジックの構成要素のうち、どこを向上させたいのか、はっきりさせておく必要があります。
そのためには、マジックがどのような要素によって成り立っているのか知ることが大事なんですね。
マジックには現象、原理、演出方法といった複数の構成要素があります。
そして、こうした構成要素のそれぞれに関して、改善の余地があるわけです。
ですから、これらの構成要素のうち、何を良くしていきたいのかを明らかにしましょう。
例えば、次のどれを目指すのかによっても、やるべきことはかなり変わりますよね。
- テクニックを向上させたい
- 話術に磨きをかけたい
- 演技構成を良くしたい
- お客さんのリアクションを大きくしたい
あなたが思う「上手い」を明確にする
構成要素が分かったら、あなたの思う「上手い」は、その構成要素の何にあたるのかを考えていきましょう。
仮に、あなたが華麗なカードさばきを身につけることを「上手い」と考えるなら、あなたが上手くなるには、テクニックの練習に重点を置く必要があります。
また、お客さんを笑わせたり、楽しい気分にさせるマジックを「上手い」と感じるなら、あなたが上手くなるには、台詞の準備、話術、お客さんとのコミュニケーションスキルなどに力を入れた方が良いといえるでしょう。
このように考えていくと、あなたが思う「上手い」マジックのイメージが、だんだんと具体的になっていきます。
手本となるマジシャンを探す
あなたが持っている「上手くなる」のイメージが具体化してきたら、その上手くなった先の姿、つまり、「こういう演技をしてみたい」という演技をしているマジシャンを見つけ出すと良いと思います。
まずはたくさんのマジックを見てみる
最初の段階では、自分の経験が少ない分、どのマジシャンを見ても上手いと感じることでしょう。
ですが、たくさんのマジックの演技を見ていくと、マジシャン同士の違いが見えてきたり、こういう風な演技に憧れるな、という人が出てきます。
初めは誰が誰だか分からないと思いますが、マジックショップのDVDのデモンストレーションやYouTubeの動画、もしいれば自分の周りでマジックを演じられる人など、上手と感じる人を探してみましょう。
上手な演技を探す
続いて、種明かしや解説はしていなくても、上手だな、凄いな、面白いな、と感じるマジシャンの演技を探していきましょう。
注意点としては、テレビなどで有名なマジシャンだとしても、必ずしも貴方の考えている「上手い」に一致するとは限らないということです。
場合によっては、自分よりも少し先輩くらいの人であったり、自分の雰囲気に近い人の方が、あなたにとってしっくりくるマジシャンになることもあります。
また、一般向けの種明かしをする程度のYouTuberは、ネタの引き出しを増やす足しにはなるかも知れませんが、手本にするのは控えた方が良いと感じる人が多いですね。
ちなみに、私も良いなと感じる演技は多々ありますが、例えば、ステージマジックだと、Lukasという韓国のマジシャンが割と気に入っています。
上手じゃない演技からも学べることはある
上手な人の演技を見るのは大事ですが、もちろん、あまり上手じゃないと感じる人の演技からも学べることはあります。
真似をするのではなく、なぜ上手くないという印象を受けるのか考えてみてください。
すると、動作と動作の間が間延びしているとか、カードをテーブルの上に置くときの置き方が雑だとか、そういう細かい部分が見えてきます。
上手なマジックは、上手と言われるものばかりを見ていても分からなくて、そうではないマジックと見比べてみることで、初めてその良さが理解できるものです。
練習を繰り返す
ポイントを押さえた練習をしよう
参考になるマジシャンや演技を見つけられたら、練習を繰り返します。
ただ闇雲に練習するのではなく、押さえるべきポイントがあります。
詳しくは、一般的なテクニックの練習方法として、以下の記事に解説してありますので、ぜひご覧ください。
信頼できるネタの完成度を高める
マジックでは、粗が目立つネタをいくつも持っている人よりも、人前で演じられるレベルのネタを2~3個ほど持っている人の方が、上手いという印象を与えられるように思います。
プロの方が上手いのも、幾つかのマジックを1つの手順(ルーティーンという)にして、それを依頼先などで毎回演じていることによるのでしょう。
1つのネタを深くやり込むと、別のネタを覚えたときも、過去に経験したレベルまで演技の質を深められるため、上手に演じられるようになります。
ですので、これはというネタを2~3個選んで、それらを実用に耐えうる程度まで練習していくのをおすすめします。
もし、上手いなと思ったマジシャンがやっているネタの解説が手元にあるのならば、それを練習して、持ちネタにしてみるのも手かなと思います。
自分の演技を見直す
いくら自分で練習して上手くなったと思っていても、やはり最後は観客が判断することになります。
ですから、マジックが上手くなるには、自分の演技を常に見直していくことが大事になります。
自分の演技を見直す方法は色々ありますが、私は次のようなものをよく使っています。
鏡
相手の視点からみて、自分の手元、見えてはいけない部分、立ち居振る舞いなどがどう見えているのかを、最も手軽に確認できます。
自分一人でも、鏡の前で練習することはできるので、使える方法です。
ビデオ撮影
一方で、鏡で自分の演技を見直す場合は、演じることに集中できない、複数の箇所を同時に確認しにくい、といった欠点もあります。
ですから、スマホのビデオカメラなどで、自分の演技を撮影し、その映像を見返してみるのも、良いフィードバックになります。
私もよくやっていて、本番と同じように台詞も喋り、動画を撮影します。
それを見直してみると、思っていたのと違うとか、気づかなかったけど不自然とか、そういう部分が結構あるので、とても参考になります。
人に見てもらう
そして、人に見てもらい、意見をもらうことですね。
場数をこなせば、大体は予想通りの反応を得られますが、それでも、未だに思ってもいないところで笑いが起きたり、反応が取れたりすることがあります。
演技が終わった後には、自分が気になったことについて、お客さんに聞いてみると良いでしょう。
「個人的に、どの演技が一番おもしろかったですか?」とか、思ったほどウケなかったと感じたら、「この演技ってどんな風に感じました?」とか。
マジシャンに気を遣う様子なら、「こういうのがあったら面白かった、少し分かりにくい部分があったとしたら、どこですか?」など、角の立たない表現でのアドバイスを求めてみると、お客さんも意見しやすくなると思います。
まとめ
以上、マジックが上手くなるにはどうすれば良いのか分からない初心者の方に向けて、マジックの上達法を解説してきました。
基本的に、上記のプロセスは1回限りで終わるということはなく、演技をし続ける限りは、ずっと繰り返していくことになります。
自分に知識がついてくると、マジックが上手くなるために必要なものは本当にたくさんあるんだなと感じるようになってきます。
でも、最初のうちは、そんなに肩肘張らずに、気長に、楽しんでマジックを練習していきましょう。