簡単だけど凄いトランプマジックをお探しですか?
この記事では、21枚のトランプを使ってできるマジックである『21カード・トリック』(21 card trick)を紹介します。
古典的な名作で一般にも知られていますが、演じ方次第では、マジック経験者相手でも驚かれる秀逸なトランプマジックです。
解説(種明かし)もあるので、ぜひ覚えてやってみましょう。
21カード・トリック以外にも、多くのマジックが解説されています。
【現象】簡単トランプマジック『21カード・トリック』
まずは以下の演技動画をごらんください。
演技動画
現象の流れ
21枚のカードを示す
21枚のトランプを1枚ずつ配り、3つの列を作ります。
好きなカードを覚えてもらう。
まず、3つの列のうち、好きな列を選んでもらいます。
次に、その列にあるカードの中から、好きなカードを覚えてもらいます。
ここで覚えてもらうカードは、声に出さないようにしてもらいます。
カードを集める
お客さんがカードを覚えたところで、テーブルの上にあるカードを一度回収します。
そして、トランプを束ねて、21枚のカードの山にします。
再びカードを配る
再び、テーブルの上に21枚のカードを配っていきます。
この時、お客さんには、自分の覚えたトランプが、どの列に配られるかを見ていてもらうようにお願いします。
どの列に配られたかを聞く
お客さんに、選んだカードはどの列に配られたか質問します。
お客さんがどの列にカードがあるのか答えたら、「これでマークが分かりました。」といいます。
カードを回収する
「残るは数字ですね。」と言い、カードを回収し、21枚のカードの束に戻します。
カードを配る
またカードを配り、どの列に選んだカードが入るのかを、お客さんに目で追ってもらいます。
どの列にカードが入ったか聞く
どの列に選んだカードが入ったのかをお客さんに聞きます。
カードを回収する
マジシャンは「これで数字も分かりました。」と言い、すべてのカードを回収します。
「21」という数字の力に言及
実は、選んだカードの正体を知っているのは、マジシャンではなく、21枚のカード自身なのだと説明します。
そして、21という数字には、不思議な力が秘められていると語ります。
「21」と唱える
マジシャンは「21」と口に出し、2枚、1枚とカードをテーブルの上に配ります。
選んだカードが出現
すると、配り終えたまさにその位置から、お客さんが心に思っただけのカードが現れます。
【解説】簡単トランプマジック『21カード・トリック』
それでは、21カード・トリックの解説(種明かし)に移ります。
動画による解説
先程の動画の解説パートをごらんください。
(そのまま再生すると、2:35の解説部分から再生できます。)
文章による解説
動画では言葉足らずな部分を文章で補足説明します。
21枚のカードを配る
まず、21枚のカードを、3列になるように、横に1枚ずつ配っていきます。
予め、トランプを手渡してシャッフル(混ぜる)してもらっても構いません。
すると、上記の画像のような配置になります。
好きな列を選んでもらう
次に、お客さんに3列の中から、好きな列を1つ選んでもらいます。
例では、お客さんから見て左側の列を選んだことにします。
マジシャンは、この時に選ばれた列がどれなのかを聞いておく必要があります。
そして、お客さんが選んだ列の中で、更に好きなカード1枚を覚えてもらいます。
例ではハートのAを覚えたとします。
このカードは口に出さないようにしてもらいましょう。
すべてのカードが表を向いているので、21枚の中から覚えたような印象を受けますが、実際に候補となるのは、左端の列の7枚になります。
カードを回収する
お客さんにカードを覚えてもらったら、トランプを1つの山に束ねます。
この時の回収する順序が大事です。
お客さんの覚えたカードは、左端の山に入っています。
カードを重ねるときには、お客さんの覚えたカードの入っている山が、残り2つの山の間に挟まるような形で重ねます。
カードを配る
最初と同じく、横に1枚ずつ、3列、各7枚にカードを配ります。
すると、真ん中に挟んでおいた7枚(お客さんの選んだカードが入っている山)は、各列の上から3枚目、4枚目、5枚目のいずれかの位置に配られることになります。
どの列にカードがあるか聞く
そして、お客さんの選んだカードの入っている列を聞くことで、候補が2枚(中央の列の場合は3枚)に絞られます。
その後、先程と同じように、お客さんの選んだカードの入った山を、他の2つの山で挟むようにして重ねます。
なお、ここで「今の質問でマークが分かった。」という台詞を入れます。
同じ操作をあと1回行うための理由付けですね。
カードを配る
また、同じようにカードをテーブルの上に配っていきます。
すると、最終的に、お客さんの選んだカードの候補となるカードが、3つの山に1枚ずつ、どれも上から4番目に配られることが分かります。
どの列にカードがあるのかを聞く
最後に、数字を当てるためという演出で、どの列にあるのかをお客さんから聞き出すと、それぞれの山に1枚ずつ候補があるので、お客さんの選んだカード1枚が判明します。
カードを重ねる
お客さんの選んだカードは上から4枚目にあります。
実演例では、最後だけ、お客さんの選んだカードの入っている山を一番上にして重ねています。
これまでの重ね方とは異なるので注意してください。
お客さんの選んだカードを当てる
最後の当て方はどんな感じでも良いのですが、忘れにくいかなということで、シンプルに「21(にじゅう、いち)」と言いながらカードを配る当て方にしています。
そして、心に思っただけのカードが、配り終わった位置から現れたことを示して、マジックを終わります。
【実演】簡単トランプマジック『21カード・トリック』
それでは、『21カード・トリック』を実演する上で、ポイントとなる部分について少し解説します。
カードの枚数が21枚であることの意味
まず、トランプは52枚で1組なのに、なぜ21枚を取り出す必要があるのか、という疑問に対する意味付けです。
もっとも、細かいことですし、聞かれてもいないのなら、そんなに気にしなくても良いかも知れません。
でも、それっぽい理由があると、見ている方も納得感があります。
実演例では、「21」という数字にまつわる不思議な力という演出で、21枚であることの意味付けを行おうと試みています。
カードを配る動作
実は、21カード・トリックの中には、カードをテーブルに配る動作が3回もあります。
これをただ何となくやっていると間延びしてしまい、見ている方も退屈してしまいます。
ですので、最初に配り終えてからマジックが始まったような体にすることで、マジックが始まってから配る動作を2回にしています。
そして、残りの2回のカードを配るときにも、「マークを当てるため」、「数字を当てるため」といった操作の目的をもたせています。
さらに言えば、
- できるだけ手早くカードを配る
- 何かしらストーリーをつける
- 「自分のカードを探してもらう。」といった目的を与える(実演例)
などのように、飽きを感じさせない工夫があると良いでしょう。
カードを重ねる操作
カードを重ねる操作も複数回出てきますが、ここでもたつかないように練習する必要があります。
特に何も意識せず、涼しい顔でパパっとカードを重ねられるようにしておきましょう。
テクニックらしいテクニックはないのですが、それは練習しなくても出来るのとは違います。
重ねる順番を迷ったり、考え込んだりしてしまう様子が見られると、そこが不自然な印象を与えます。
ですから、慣れるまで手順を通すのが良いです。
終わりに
以上、簡単なトランプマジックとして、21枚のトランプで行う『21カード・トリック』を紹介しました。
他のマジックも知りたい方は、以下の記事でお気に入りのマジックを探してみましょう。
ちなみに、本記事で紹介した『21カード・トリック』は、西欧で知られている数理的原理を応用したセルフワーキング(松田, 1994 : 24)だそうで、バリエーションは数多いです。
もしかしたら、『21カード・トリック』という名前は知らなくても、21枚でできるトランプマジックとして知っている方も多いかもしれませんね。
原理も難しくはないですし、テクニックもほとんど必要無いですが、その割に効果が高いマジックの1つだと思います。
私自身も、マジック経験者相手に、メンタルマジックでこのマジックを応用した手順を演じたのですが、怖いと言わせるくらいの反応は得られました
ですので、ぜひ知り合いに見せてみて、その反応を確かめてみて下さい。